震災から8ヶ月が過ぎた。
東京でももう報道がなくなり、多分年末と1年経った3月で報道はもうしなくなるだろう。
昨日、出版関係の方々に話を聞いたが、震災関係の出版物はもう出さないようにと通達が来ているそうだ。
出版物とは本であり、10年後も記録として読めるものなのに、出版物自体が週刊誌になっとること自体、正しいことをやることよりも金金の世の中になっていることがモラル基準を大きく下げていることになっている。
被災地の現状をできるだけ伝えたいという思いがあるが基本メディアではNG。 メディアではなく恐らく視聴者が求めていないのだ。
もしくは報道規制かもしれない。 ただでさえ、原発で世界の世論が注目しているのに、宮城県や岩手県まで経済困窮事態や進まない町の復興や、仮設住宅の不憫さなどを伝えると、ひびの入った政権がそれこそ崩壊するのに拍車がかかる。
東京では「ボランティアには行きたいが、役に立つのか?」。
あるいは「もう復旧して大丈夫でしょう?」と、時が経っているのでもう大丈夫に違いないと思いたい願望が支配的。 何故なら今目の前にあることでみんな精一杯だからだ。
現状を報告しよう。
先月から変わったことと言えば、朝晩の寒さが厳しくなった。 あと、ボランティアの数が激減している。
仮設住宅の被災者も、もう支援物資を要請することはあまりにも申し訳ない。
でも、現状は厳しくなるばかり。
変わっていないことは、がれきの持って行く場所がないので、被災した建物を倒壊してがれき処理を行うことが出来ない。 山積みのがれき集積所は山積みになったまま。
福島県では除染作業ができない。 なぜなら除染作業をやると廃棄物が出るからだ。
廃棄物の集積所が決まっていない。 だからやらない。
町の復興は?
復興とは、生きた産業が復活し、住んでいる住民が仕があり、所得を得て、市
場が生まれ、税金を払え、そして町の活力が生まれること。
町の復興は今のところどこの被災地にもない。 申し訳ないが、まだまだその光さえも見えない。
漁業の復興は港湾整備や地盤沈下などの問題で時間がかかるのもそうだが、高台移転を前提に考える被災地では、どこに住んで、どのように港で仕事をするのか、町構想そのものが漁業の復興と密接に関わる。 そのビジョンが描けていない。
船さえあれば、何とか漁はできる。
たくさんの船の寄贈があるが、実は土地土地によって漁が異なるため、他県の船をせっかくもらっても「使えない」船がほとんど。
組合の上層部は何とか自分たち優先で船を手配できたりするが、末端の漁師達は何の情報もなく、途方にくれている。
漁業をあきらめた人達も多い。
農業の復興も兆しが見えない。 農業従事者はただでさえ、狭い土地でコストがかかり、年収レベルでも150万円ぐらいの農家が多い。
後継ぎもいない。
「いっそのことやめよう」と腹をくくるばかり。
先行きが見えず、就職をあきらめ、生活保護者がバンバン増え、それに慣れてくると、働かなくても最低限のお金がもらえるため、働くのを探すのをやめる。パチンコばかり。でも精神的に病む。家庭内DV激増中。
だいたいにして就労層が仕事を探したくてもインターネットのインフラが壊滅的で、ネットに繋がらない仮設住宅ばかり。 電話回線でできるが、ケーブル接続はできない。
ここに総務省は予算を出さない。
町の復興構想は国交省関連のコンサルティング会社が描いてきたもの。
地面に線を引き、産業誘致の場所、農地、漁港、堤防、防潮堤、高速道路などなどの建設図面が描かれている。
これは建設の図面であるが、これが「復興構想」と称した形となり、住民に説明会を開いている。
ところが、被災地の状況を理解した図面ではない。 もちろん、住民との意見調整を行った図面でもない。 一番問題なのは、「復興構想」ではない。
何故なら、どの産業で、どのように飯を食っていくのか、町をどうしたいのかが見えないからだ。
簡単に言うとビジョンがない。
ビジョン無き復興。
誰がビジョンを描くべきなのか?
それは住民、地方自治体、国などが一緒になって知恵を絞ってやるべきだが、全く連携は取れていない。
誰も、どこも復興ビジョンはないのだ。
また、この地面に線だけの「復興構想」の一人歩きにより、肝心の本来の復興構想が遅くなっている。 地面に線だけの「復興構想」は建設関連業界の話であり、被災地に経済効果をもたらさないだけでなく、この「建設構想」を「復興構想」と言っているもんやから、それで振り回されて、肝心肝要の「被災者の今の生活」がないがしろにされている。
どうあるべきか?
あくまでも理想論かもしれないが、最低限こうあるべきかと思う内容を記してみる。
1. 復興ビジョンに生業を入れましょう。 被災地の市町村は何で生き抜いていくのか?
2. 被災地の人口流出が著しいことから、「元に戻す」というのは、町が元通りにならないということを意味するため、「元に戻す」のではなく、「新しい町を創り上げる」という考え方に180度転換するべきである。
3. 人口を増やすためには、魅力ある町にしなければならない。 もちろん景観もそうだが、そこには日本経済を牽引する産業が来なければならないし、起こしていかなければならない。 また、地元に合った産業選びでなければならない。
4. 可能性のある産業としては:
1)農業:但し、大規模農業であり、単なる稲刈りや野菜作りだけでなく、食品製造加工から、流通販売、レストラン経営まで捉えた6次産業化ができる特区として扱う。 また、植物工場などの導入を先駆的に行う。 また、農業を高齢者の健康保持のための産業として見ても良い。 年金をもらいながら、プラスアルファで所得が得られるような仕組みでも良い。 また、仮設住宅に隣接させ、一時的にも「交流の場」として使い、仮設住宅の方々の「食」には困らない形をいち早く創り上げる。
2)漁業:これもまた6次産業化が必要である。 売り先マーケットの開拓を早急に組み立て、魚が東京や名古屋、大阪の市場などと直結する仕組みを作る。
喫緊の課題として、全国に使用していない船と、被災地の実用に合う船のマッチング制度を設けなければならない。 国がやるべき事かもしれない。
3)林業:日本の森林は放っておくと枯れていく。 ちゃんとメンテナンスするためにも林業の再生は必要。 また、森林資源を加工し、家造りの産業と連携させ、またデザイン産業や技術産業との合体を行い、誰でも安く家を建てられるような金融商品を用意し、日本全国だけでなくアジア市場を狙った一大木工産業を形成するべき。
4)医療:日本では遅れを取っている健康産業を積極的に取り入れ、高齢化社会を健康にするためにはどうすれば良いかの問いにひたすら純粋に答えを見いだし、産業を育成していく。 そのためには特区が必要。 健康保険制度を病気になってからではなく、健康を維持するために使えたら産業は大きくなる。 医療・看護・介護産業は、少子高齢化に拍車がかかっているお隣の中国の巨大市場を当初から念頭に置き、今のうちにサービス力を高めておくための措置が必要。 必ず生きていける町になるはず。
5)航空機産業: 地盤沈下した港に水上飛行機が離発着できる空港として建設をする。 水揚げした魚を産地直送で大都市圏に直送できる形を取れる。 そうすれば、航空機産業も活発化する。 アジア市場をターゲットとした航空機輸出に拍車がかかる。
6)観光産業: 世界から観光客を呼び寄せる。 そのためには英語や中国語を話せる日本人の育成が必要。 外国語の教育水準を徹底的に上げる。 また、新しい町は「津波や自然災害に強い町」と当たり前のフレーズだが、真剣に考え、「世界遺産登録」を目指すべきである。 そうでないと人は来ない。 町のカラー、建物の整備と建築基準など、バラバラじゃだめ。 見て一目で「美しい」町並みでなければならない。 景観を損ねる建設物(コンセプトも全くない防潮堤や堤防や意味のないコンクリート道路など)は見直しをかけ、景観と住みやすさをバランス良くとった町作りが必要。
とまぁいろいろこれだけじゃないがいっぱいあるけど、基本、町の「成長戦略」無しに復興はあり得ない。 今この「成長戦略」がない。 まぁ、国にもないんやけど・・・。 会社なら、「うちの会社何の事業やるか?」がないまま進んどる。 あるのは会社の建物の設計図だけ。 そんな会社いらんで。
まだまだ重要なのが今の生活をどうするかということへの対応。
以下の対応が必要とされる。
1)町の成長戦略を取り入れた「復興構想」を一日も早く示すべき。 どの方向で町が復興するのかが見えないと何したらいいかわからない。
2)経済活動が戻ってくるまでの間、ボランティア団体の連携を促し、情報のプラットフォームを作り、必要物資、困っているニーズなどをまとめ上げ、ボランティアと行政の連携室で対応していく必要性がある。 そのためには「町の仮設住宅及び在宅避難者の方々に対する一律のサービス」をどうするかまとめ上げ、決める必要性があり、決めた事項に取り組んでいかなければならない。
3)高齢者・要支援者・要介護者などの生活弱者に対してのサービスは徹底させる。 あらゆる対策を優先的に取る。
4)これからの子ども達への教育環境をいち早く整備する。 仮設プレハブでも良いので寺子屋制やボランティアを活用し、遊び学びの繰り返しをする。 特に子ども達の悩み相談は早急に対応するべき。 ここは第三者の介入が好ましい。
5)被災者雇用促進のための事業案を出し、完全雇用までを計画的に考え、期日を決め、雇用をいつまでにどのようにして回復していくのか、真剣にあの手この手使って実行する。 ここには専任の部署が必要になる。
6)障壁解消部署の設置。 どこでも住民同士の対立があり、経済発展を大きな視野で見られない閉鎖的かつ排他的な産業団体がある。 ここに対して、復興の妨げとなるものに関しては、徹底的に話し合いを進める部署を設立する必要がある。
前向きな時に横やりがたくさん入るのは問題。 これを問題処理していく部署。
7)これら全てを今の被災地の人員体制で実行するのは厳しいので、人員補給もしくは徹底した外注を行うべき。 人員補給も外注も全て対応する人材は「被災地復興に躍起になる人材」でなければならない。 あくまで理想だが。
8)被災地、県、国との調整を随時行う部署の設置が必要。 情報連携は復興の大きな鍵になる。
9)入ってくる企業、あるいは復興構想を描くコンサルティング会社には、被災地をつぶさに見てもらい、先ずは最低一人500人の被災者と会話するべき。
温度差を先ず調整してからでないと描くビジョンにずれしか生じない。
これらを全て同時にやってはじめて「復興」というミラクルは起こるはず。
強烈なリーダーシップも必要となる。
また、たくさんの人手が必要となる。 当然、ボランティアはただ単にボランティアだけではなく、町おこしに関わっていく視点でのNGO的な発想あるいはアントレプレナーの要素が必要になる。
被災地でも「外から来た人」とか阻害的になっていはいけない。
「融合」は必要であり、新しい創造には不可欠である。
日本全国の人達が東北にチャンスありと思ってくれたら良い。 日本再生の大きな機会でもある。
逆にこれ出来なかったら・・・・。 財政はとんでもないことになり、つけは全て僕らの子供達の世代にまわる。イコール僕らが高齢化した時には誰も支えてくれないという時代の到来。
自業自得にならないように、みんなでがんばっぺしです。
狭い視野、狭い考え方、自分さえ良ければの私利私欲は復興の妨げにしかならない。
利権捨てて、全体を考え、長期的スパンで意見出し合わなあかん。
日本全体で一丸となって復興に取り組むべし。
八ヶ月。もうみんなで取り組んでいいっしょ。
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