2011年大晦日。
僕の知っている12月末の被災地の現状をお伝えしたい。
とある仮設住宅では、高齢者で独居している方が8割を占める。
仮設住宅は抽選での入居。 被災地市町村が「平等」という大義らしい旗を掲げてとった政策。 現実そんなことやったらコミュニティーがなくなり、コミュニティーを作るのに時間がかかり、被災者の精神的負担が増大することは最初からわかっていたが、右へ習えと事なかれ主義でその方針をとってきた。
阪神大震災の教訓は一切活かされなかった。
結果、コミュニティーがなく、独居高齢者は仮設住宅で引きこもることに。
孤独死、自殺も多発。 地震、津波、火事、原発からの放射能、地盤沈下、行政の混乱に加え、支え合うコミュニティーが存在しない。
家族を失い、職を失い、支援もなく、車もなく、買い物もできない人達に、支え合うコミュニティーがなければどうなるのか? 孤独死や自殺はそういうところから生まれる。
このような環境にさらされている人達が実に多い。
震災発生から9ヶ月半以上が過ぎ、まだこんなブログ書いているのが実情。
被災地市町村の瓦礫は集積されたが、放射性物質を含む瓦礫に関しては移動ができない。 福島から遠く離れた岩手県でも4000ベクレルの放射性物質の瓦礫の山が積まれているところがある。
新基準で3000ベクレルまでは燃やしたりしていいと、国が判断。 アホです。
理由は「そうしないと進まないから」。 健康被害は考えない国。
仮設住宅の暮らしは、カビが生えている環境で、シックハウス症候群で咳き込んで寝られない被災者が実に多い。 仮設住宅に移り住むまではそんなことなかったのに。
1棟500万円の予算を受けて立派な仮設住宅を本来は建てることができるはずなのに、中抜きと口利きとリベートなどで、お粗末な仮設住宅はたくさんある。
一部の業者は儲かった。
被災者は二次的に長期的な災害を被った。
繋ぎ部分をシーリングを使わずにセロテープを貼っだけの建物がたくさんある。
秘技「セロテープ工法」だ。 先進国日本の被災地の家はセロテープが隙間に貼られている。
衝撃と驚愕の事実。
仮設住宅に住めるのはたったの2年。 法律で決まっている。
でも、移転先はまったく決まっていない。 公営住宅ももたもたしているが、それよりも高台移転と地盤沈下した土地の処理が決まっていない。
もし、あなたの土地が地震と津波の被害にあって、地盤沈下してしまい、そこに建物をもう建ててはいけないとなったらどうだろう。 その土地は売れなくなる。
二束三文の土地。
資産価値は一気に目減りする。
職を失い収入がないにもかかわらず、資産が一瞬にしてなくなる。
高台移転の高台の土地の確保ができない。
およそ1年半後には仮設住宅をでなければならないが、どこに住めばいいのか全く不透明。
家を建てるにしろ、高台移転にしろ、公営住宅にしろ、全て新たにお金はかかる。費用概算一人あたり約三千万円。
生きるのを諦めろってか?
被災者にその費用を面倒を見ると国は一切約束していない。 被災地市町村も策はない。 というか、臭い物に蓋で考えていない。 進まない。
この環境では、例え手元にお金があったとしても、不安で使えない。
でも、支援は打ち切られる。 社会の風潮は「支援はもういいでしょう。」的な・・・。
被災者の健康状態も悪化している。
元々医師不足の地域。 お医者さん一人あたり診られる患者数には限界がある。
被災後、避難所での食事は粗末なもので、健康へのことなどは考えられていなかった。
炭水化物中心の食事と、極度の運動不足に陥った方々はほとんど。
仮設住宅への移住に伴い、支援は打ち切り。 買い物も行けない環境の中、健康状態は悪くなっていく。
健康だった方が、要支援者になり、要支援者が要介護者へと移り変わる。
なのに医療施設は十分ではない。 第一、アクセスが大変。 車を運転できない高齢者は本当にたくさんいる。 なので病院にさえ行く気がしない。
万が一の時の救急病院がない町も少なくない。
介護や看護も、既存の枠内では、訪問を主体とできず、必要な方に必要な医療サービスを提供できていないのが現実だ。
追い打ちをかけるように、ここぞとばかりに金儲けで精神科と診療内科が入り薬漬けにしていき、生活保護者が急増する。
あかん。人としてあかん。
でもそれが正義を振りかざす世の中。
何よりも、行政が司る復興計画が実に実態に即していない。 絵に描いた餅。
国交省のURなどが復興計画で図面をかくが、そこには産業再生、経済再生、雇用創出の柱が全くない。
まぁURにそんな力元々ないし、問題だらけやのにここぞとばかりに予算貰えたからやっているだけ。
使命感はない。
「どうやって復興していくのか?」
「どんな町作りをしていくのか?」
「どんな理念で町を向こう100年栄える町にしていくのか?」
だれもそんな指針は出していない。
被災地市町村では津波被害で亡くなられた職員も多い。 手一杯であることも確か。
でも、幹の部分が進まないのは大きな問題。
国がリーダーシップを取るわけでもなく、あくまでも「被災地から提言を待つ」のアホの一つ覚え。
被災地からは「国は何もやってくれない」と意思疎通が欠けている。
結果として、9ヶ月間半、復興ビジョンが存在しないのだ。
お偉い教授陣がボランティアで「復興協議会」もどきのものを立ち上げ、何とか尽力するが、すべて動機は「名を上げたい」の私利私欲。
それは、そんな人達が描いた復興計画を見れば一目瞭然。 被災地の実態に即していないどころか、被災者目線がそもそも欠けている。
復興計画に携わっている、とある教授に聞いたことがある。 「結局復興計画じゃなくて、予算もぎ取るための書類整理だよ。」と。
向こう30年、せめて向こう10年どうするのか?という問いに答えられる復興計画は一切無い。 残念だが。
業務に携わる人達が本気で被災地をどう復興するべきかを考えたらこんなことにはならないということが多すぎる。 結局、足かけの期間、名を上げるため、などの私利私欲と保身が本気の復興計画として表れてこない原因だ。
とある被災地では復興ではなく「利権」が優先され、一部の利権団体がどう利権を維持するかという私欲だけで事が進んでいるケースもある。
それはもう既に、瓦礫撤去、仮設住宅建設、除染活動で嫌というほど見てきた。
また、被災地では視野の狭いというか、ケツの穴の小さい産業が多く、今の自分の暮らしをどのように楽して暮らしていくか、中央からのばらまきのお金をどれだけふんだくるかしか考えていない団体も多い。
本来子ども達の世代や後生の世代を考えると、外からの知恵や力を借り、共存共栄しながら切磋琢磨して産業を大きくしていけば良いのに、「自分の取り分が少なくなるのではないか」という、器の小さい考え方に固執して外から参入する物を排他的に扱うことも根強くある。
これでは復興しない。 今のままでは絶対ない。
第3次補正予算や特区法案が通ったし、復興庁もできるよと人々は言う。
でも、その予算と特区を有効活用し、被災地を復興に繋げられる人材がいるのかと言えば甚だ疑問だらけだ。
ましてや復興庁なんて、今頃できたらはっきりいって確実に邪魔になる。 間違いない。
ただでさえ、市町村、県、国で情報の誤差があるのに、それを復興庁ワンストップでやってくれるんやったらえーけど、調整するどころか、ややこしい構図になって、結局県の申請無しには何もできなくなっているし、もうむちゃくちゃな省庁になるでこれ。
それに増して、原発問題。
政府は、原発問題は終息と宣言したが、世界各国は「日本もともとアホやけど、マジやばいな、マジでか?マジで言うてんのか?アホどころかアホアホアホアホでとんでもないで!」と報道している。
冷温停止は単なる一工程。 放射性物質の垂れ流しと、放射線量の高さが許容範囲でないままの終息宣言。
世界は言う。 「日本人は何故暴動を起こさないのか?」
その問いに対して僕はこう答える。 「だって原発の問題は福島の問題とすり替えられていて、自分の問題と思っていないからでしょうね」と。
東京でも敏感にというか過敏にならないといけない大きな問題。 過敏でちょうどいい。
にも関わらず、無関心。
「考えてもしょうがないでしょ。」や「国が大丈夫って言ったら大丈夫なんじゃないの?」と思っている。
主体性なき民族。
前ならえの徹底。
赤信号みんなで渡れば怖くないの精神。
間違っていることは見て見ぬふり。
「みんな」がどうかを気にして正しいことが見えなくなる。
このような国民性を利用してか、国は、放射能に対して、国民の安全を考えて行動したことはない。 4月初旬にいきなり法律を改正し、パニックが起きないよう、そして人口流出が起きないように、安全被曝線量の高さの上限をいきなり大幅どころか世界が進じられないレベルにまで引き上げた。 それは東電や役人や官僚や政治家が自分の責任にならないようにと、国民の健康を考えずに行った措置。
水素爆発があった時にメルトダウンとメルトスルーしていたこともわかっていたのに、その時には情報を隠蔽。 3月中旬にメルトスルーが発表されていたらどうだっただろう。
関東からも人は西へ移ったと思う。 日本国中が放射能におびえ、放射能の知識をもっと高めたはずだ。
ところが、7月になってはじめてメルトダウンを政府が発表。 3月中旬に既になっていたと・・・・。
うっそ〜。 うっそやろ。 そんな重大なこと何で隠蔽してたん? そんな国だ。
信用なんて本当にできない。
僕はメルトスルーの話が明らかになったとき、日本国中で暴動が起きると思った。
何故なら、自分の生死に関わる情報がずっと隠蔽され、約半年後にさらっと言われるだけなんてあり得ないからだ。 でも次の日からはそのニュース流れてなかった。 そして日本中でさらっと気にもとめることなく受けながされた。
え? 日本中びっくりしたんちゃう?って思ったけど、誰も関心を持っていなかった。 被災地以外の場所ではもう通常の日常しかない。 放射性物質の危険性を誰も話さない。 既に風化が始まっている。
福島のとある街では健康被害が出てきている話も聞く。 不安におびえ、子ども達にたいしても安全責任を果たせず、自暴自棄になっている親御さん達も大勢いる。
新しい産業はない。 産業の再生はどこの被災地にも予感すらしない。 動いていない。
もちろん小手先レベルはあるが、町の復興に繋がる産業政策はない。
復興の兆しよりも、人口流出、少子高齢化への拍車、医療不足、産業壊滅、完全失業、などの被災の悪化が目についてしゃーない。
これが被災地の現状。
忘れてはならないと思う。 復興しなかったらどうなるのか? 被災地はもちろんのこと、いずれにせよ被災地を税金で支えていく日本人全員が大変になる。
震災は自然災害が起こした。 でもそれがあったのは火事も含めると3〜4日。
あとは人災。 これだけ復興を遅くしたのは、日本人一人一人が公益よりも私利私欲を優先するようになってしまっていることと、自分の身近なこと以外は無関心で許されるようになっている社会を作ってきてしまったことが原因だ。
無関心社会。
何でも、「あ、興味ない〜」のその無関心さが被災地復興と日本再建にたちはだかる大きな壁。
全ての現象は自分に関わる問題として、全てに好奇心を持って取り組む人達が増えれば、被災地は復興し、日本は再生されていくはずだ。
そうなるように。そうなっていくように来年は非力ながらも全力で取り組んでいこうと思う。
たくさんの同志、たくさんの支援者がいるのも事実。
心ある日本人はたくさんいる。
まだ間に合う。みんなで取り組めば。
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